佐々木インターナショナルアカデミービジネス

卒業生の便り(2)

これ迄にSIAで学ばれた海外で活躍中のOBの声をお届けします。以下は、数十頁の上るこら迄のOBからの通信の一部を引用したものです。新たにSIAで学ぶ方、現在学ばれている方にとって佐々木インターナショナルアカデミーの教育哲学を理解する参考資料として利用下さい。なぜ、SIAで学んだ方がそれぞれの道を切り開いているか解ると思います。語学力を付けて世界への挑戦がSIAの合い言葉です。

カナダで研究生活を送る女性研究者

ご無沙汰しております。元気にやっております。モントリオールの研究所に来て3か月、6月のニューヨークでの学会に演題が出せそうで、ようやく一区切りするところかなと思います。こちらでは、上司、同僚、友人に恵まれ、非常に楽しくやっています。

カナダは(モントリオールは)多分アメリカと違って、とてものんびりしていて、なおかつみな親切でひとなつこく、外国人の私にはとても過ごしやすいところです。英語が公用語といっても、フランス語が主流の人も多く、私のへたな英語も親身に聞いてくれます。

SIAの他の留学生の方とは違い、授業に出たりレポートを書いたりする義務はなく、自分のペースで研究を続けており、たまに先生方と話をするだけなので、なかなか英語も上達しません。とばかりもいっていられないので、ようやく明日から週4時間だけですがMcGill大学の英語クラスをとることにしました。こちらについてすぐ受けたかったのですが、試験を受けてから出ないととれないので、この間とれませんでした。SIAで学んだことが大きく、上から2番めのクラスに振り分けられ、やりがいがありすぎるほどありそうです。新聞、雑誌の記事を読み、ニュースを聞くというのが概要で、実は内心かなり不安です。

研究に関して、上司は助教授なのですがかなり切れる方です。カナダ人というには少し静か過ぎる感じもするのですが、私の研究過程の利点欠点の要点のみをついてきてます、全く、彼の思考回路には敬服します。

教授は素晴らしい人格者です。研究のことを直接話すことはないのですが、少し話すだけで人をなごませ、かつやる気を出させることができる不思議な人です。ピアノもとてもお上手です。同僚は、カナダ人、フランス人、ドイツ人、韓国人(まだいると思います。)と多国籍部隊です。言葉は英語とフランス語が入り混じっています。例えば、モントリオール生まれの大学院生は両親がパキスタンから来たということで両親とはパンジャブとヒンディーとを喋り、兄弟とはフランス語で、大学では英語を話すというと驚きなのですが、ここではそういうことがまったくあたりまえのこととしてあります。みんなそれぞれ優秀で、それより熱意があるのがこちらを鼓舞してくれます。

こちらに来て、クリスマスも含めて数回食事会に出ましたが(一度は自分で企画しました)、そのうち2度は朝まで話しこみ、とても楽しく過ごせました。たまたまそういう人が周りに多いのか、同僚たちとの話は、政治、経済、歴史、宗教、進化、と多岐にわたり、また、みな非常に深く考えているのに驚かされます。では、また報告したいと思います。名古屋も寒いでしょうからどうぞご自愛ください。(カナダ、モントリオール在のSIAOB)

カナダで研究生活を送る女性研究者

こちらで契約延長ができ、カナダで2年目の研究生活を送っております。今年になって、フランス語を始めたところです。英語自体もまだまだ未熟なのでえらそうなことをいえないのですが、初めて英語がいかに簡単な言語であるかを認識しました。

こちらで英語で一番苦労している点は日本で聞くことのできる教科書的な英語と実際使われている英語との違いです。留学生は多く、あちらこちらの国から来ています。米国から来ている人だと分かるけど、オーストラリアやドイツから来ている人が何を話しているか全く分からなかったり、米国でもセントルイスから来ている人だと分からないということが非常にしばしば起こります。時間があれば国際フォーラムに初級、中級レベルから参加して、各国の発音に違和感を感じないようにするというのは非常に大切だと思います。あるいは、いくつかの特徴のある地域の英語を聞くことのできる講座があれば実用的なのではないかと思います。

シュツッツガルト大学院COMMAS 加藤準治氏

時の経つのは早いもので、こちらへ来て半年の月日が流れました。私事で誠に恐縮ですが、ここしばらくの報告をさせて頂きます。

(授業と論文)
前期試験終了後、約一ヶ月の休暇を終えました。来週からいよいよ後期の授業が始まります。近頃は、少し早いのですが修士論文のテ−マを、というよりも博士論文まで見据えたテ−マをあれこれと考えており、毎日図書館通いです。テ−マは、できれば技術屋として大変夢のあるアイデアを盛り込んだテ−マに挑戦したいと考えております(自分の足下を見ずに挑戦するいつもの悪い癖です)。

また、学生アルバイトのようなものがありまして、博士課程の学生の研究の手伝いを5月から始めます。手伝いといっても、大抵がプログラミングの手伝い、コピ−や荷物運び等なのですが、教授が特別に配慮して下さったようで、私の専門分野に関係ある題材で企業から委託されている研究テ−マを直接進めることになりそうです。しかし、悪い意味でとると、それがそのまま修士論文につながる可能性が非常に高いので、「夢のあるテ−マ」をモット−にしている私としましては、親切心に流されないよう慎重に対応しております。

(アメリカ旅行)
先日、ドイツで親しくしている米国出身の友人が旅先案内人となり、車でカリフォルニアを縦断してきました。しかし、知らなかったんですが日本車が多いんですね。私の感覚ではアメ車4〜5割、日本車3〜4割、その他といったところでしょうか。その他、日立がIBMの研究所を買収していたり、私の想像以上に日本の企業がアメリカ社会に入り込んでいると実感しました。そんなことに対してですが、日本人として自信をもってしまいました。

また、その友人がIBM研究所(シリコンバレ−)のresearcherなので、中に入れてもらい、実験場の中まで案内してもらいました。彼のマネ−ジャ−とも少しだけ話をしたのですが、その本人がDVDの発明者でして、友人曰く、年収?000万円位はあると。これもまた別の意味でアメリカの一面を見たような気がします。

その後、単独でニュ−ヨ−クに渡り、街を見て参りました。
戦争が始まる前のNYがどのような雰囲気に包まれているのかを見たいと思い、NY行きを決めたのですが、なんと滞在中に戦争が始まりました。CNNでは、NYの反デモ運動がよく取り上げられていましたが、平日の5日間しかいなかったため、街は観光客やビジネスマンの普段と変わらないような状況でした。しかし、中心地はテロ対策のため、非常に多くの警官が動員され、異様な光景であったことは間違いありません。地下鉄を避け、極力足とバスで行動しておりました。

(日本とドイツの技術)
最近、日本とドイツの技術の発展の仕方がぼんやりと見えて来たように思います。なぜ、日本の(特に建設、機械系)技術者がドイツの技術を一目おくのか。日本人が美化しすぎているところも大きいですが、本質的には「自由な発想」というところに帰着するのではないかと思っています。

実際、いろんな研究室を徘徊しましたが、そのうちいくつかは今まで見たことのない不思議なものが転がっていたりします。研究内容も然り、日本ではどの分野でも企業や大学からなる多くの組織があり、互いによくその分野に精通していて研究テ−マの常識、非常識の境界線を共通に持ち合わせている気がします。つまり、お互い常識からはみ出ない、はみ出にくい環境にあるかと思います。

こちらは、その辺りは比較的自由度が大きいです。そのため、素人目にも実現できないのでは思うような基礎研究も多々見受けられます。しかし、仮にそのアイデアが成功した場合、日本人からすると新しく斬新なものに映るのではないかと思います。そしてそのアイデアを取り入れ、完壁なものへと変貌させていく、これもまた日本の底力であると思います。お互い長所、短所はありますが、「自由な発想」(裏返せばあまり学術的ではないですが)は、ドイツが僕に教えてくれたものの一つです。ということで、おもしろい論文に挑戦してみたいと思っています。いろいろ報告したいことがあるのですが長くなりましたので、本日はこの辺で失礼させて頂きます。取り急ぎ、ご挨拶並びに近況報告まで。シュツッツガルト大学院COMMAS 加藤準治

追伸:以前、佐々木先生にアドバイスをもらいました専門雑誌の件、出版社に交渉し、無料で郵送してもらえることになりました。無料といっても、今後私が投稿するであろう、原稿料で精算ということです。ということで、論文を書く機会を与えられ、私としては大満足の結果となりました。

加藤様 お元気そうで何よりです。それに付けて1ヶ月の休暇旅行とは実にうらやましい限りです。相変わらず、軽妙かつ鋭い観察眼は大変参考になります。早速皆さんに送りました。今度はそろそろパーティーでも開催して経験談を戴きたいものです。

SIA 佐々木

SIA 佐々木様 ご連絡頂き有り難う御座います。―――――中略―――――――

なお、私の報告は成功談が多いですが、先生もお気づきになられているとおり、実際には多くの失敗もしております。先生からアドバイスを頂いたパ−ティ−については、実は12月末に実施しましたが、いろいろとトラブルがあり、失敗しました。必ずくるであろう人達が来なかったり、誘ってもいない人が参加したり、一番厄介だったのは、やはり宗教上の問題でした(イスラム教の中にもいろいろあるようで・・・)。更に、気の優しいインド人達(ヒンドゥ−教)がパ−ティ−の雰囲気を壊さないようにと、パキスタン人の料理した牛料理を無理して食したり・・・

当時は、お互い今ほどうちとけていなかったこともあり、上記のような失敗もありましたが、今では彼らとも笑い話のネタとして話しております。次回は、鳥限定のパ−ティ−にする予定です。それでは、また時期をみてご連絡させて頂きます。

シュツッツガルト大学大学院 加藤準治

加藤様

早速の連絡有り難うございます。主催者の立場になるとパーティーの気遣いが判ってきたと来たと思います。先ず、来るという人の6割しか来ない。来るというと必ず来る人、来ると言っても当日になると来ない人(当人に悪意はありません)。主催者側にも問題があり、自分の見栄のため世界各国の人を集めたがる。

こういった歩留まりを考えて参加者を推定するのも主催者の能力です。この辺が理由で、行くか行けないか判らない時には私は欠席の可能性を先ず報告し、実際には万難を配して出席を心掛けます。(有料パーティーであれ、無料パーティーであれ何とか時間をやりくりして出席した場合は大変喜ばれます。この辺は一度主催すれば理由が判ったと思います。)

貴方が主催するパーティーで皆を喜ばす最善の手建ては鮨(米国では)です。後は簡単で、費用が掛からないのは日本酒です。

もう一つ言えば、菜食も手です。菜食主義者はいますが、肉食主義者(肉しか食べない人)はこれが地球上いないのです。

日本人と同じように、パーティー等で本物の日本人から学んだ日本食の知識は彼等もひけらかしたいのです。
例えば、私がカリフォルニアにいた当時、鮨屋でガールフレンドを前にいろいろと鮨を解説いる人が横に座っていると、よく以下の様な会話をしたものです。

Excuse me, I am very impressed by your extensive knowledge of Sushi. But I am afraid you can not handle Natto-maki. Would you like to challenge it, though I do not recommend it to you as it is too difficult for American to handle?

I got an answer from a man, why not. After eating it he usually says to me it is really nice. And I said to him, "it is incredible you must be a master of Japanese dishes. I am Japanese and like Natto now. But it was quite difficult for me to eat it when I first encountered it as I was from a western part of Japan, Shikoku. And
I said to his girl friend you could trust him. This is the first time for me to encounter an American who so easily handle Natto. By the way Natto is good for a man too. Sure she smiles and you easily guess how popular I was at the time in the restaurant.

まー当方のコメントは若干脱線気味、かつ当方のノウハウなので今回の送り先は限定していますが参考になればと思います。ただし、冗句は現地の人々の国民性を理解する迄は、若干の危険性が伴います。

英国在住ビジネススクール学生

  1. 英語について
    • 慣れの部分が大きいと思います。来た時点と比べ同級生のイギリス人曰く上達したとのことです。(特にスピーキング)授業中聞き取れない部分も少なからずありますが、授業が理解できないということはありませんし、プレゼンも下手ですが、何とかこなしています。いかに英語を使う機会を増加させるかが、英語上達のポイントだと思います。(これは日本にいても同じですね)
  2. 授業の内容について
    • 期待していた以上の授業はありません(苦笑)。周囲の学生の評価も概ね同じです。ただし西洋的ファイナンスの概念は、私にとって新鮮なものが多かったです。(株主至上主義やWACC等)日本にいる内に、日本語で経済学やファイナンスの勉強をしておけばよかったと後悔しています。
  3. その他
    • MBAは、可能な限り上位校へ行った方が良いというのが率直な感想です。SIAにも多くのMBAを目指す方々がいらっしゃると思いますが、この点については強調しても強調しすぎることはないと思います。(下位校の方が、学生の質のばらつきが大きいので)また日本のMBAプログラムも視野に入れるべきだと思います。(経営学は母国語で、英語は別に勉強するという選択肢もあってよいかと)

乱文お許しください。まだまだ寒い日が続くと思いますので、くれぐれもご自愛のほど。

○○様(佐々木の返信): 有り難う御座います。貴兄の指摘は全ての面で的確であり、参考になると思います。

ただ更に付加しますと(多分貴兄の方では当然の前提の話で敢えて触れなかっただけかとは思いますが)、「見ず知らずの環境に自分を置き、試行錯誤を経ながら自分の世界を広げて行く事」が多分一番の大きな収穫だと思います。これは内省的な面もありますが、私が指摘したのは外向的な面です。これを意識して努力し、自分の社会、世界をそれぞれのビジネススクールで確立し、自分の存在感を作って下さい。

ランキングについては、私自身が幸いにも2校(ある意味で意図的でしたが)経験しましたので実際の経験者として知るユニークな存在だと思います。その点からいえば、ある意味での長短がありランキングの上位校が良いのは8割方事実だと思いますが、おかれた環境を活かす能力がより重要だと思います。

読みの速度、英語での経済、マーケティング等の受講経験がない点等気になる部分はありましたが、貴兄の場合は、積極的な性格ですのでそんなに心配しておりませんでした。実際半年経過して振り返って見て如何でしょうか?

積極的な質疑、意見の展開、自己主張などの訓練、教育、経験が本当は重要なのですが、その重要さに気づかない人が多く困った事だと思っています。差し支えなければ、今後の当方の指導にも役立てたいと思いますので、一度貴兄のこれ迄の半年を整理し、次の作戦を立てる動機付けとして更に一文を戴ければと思います。

佐々木 賢治